動物分野では「哺乳類・爬虫類・両生類・鳥類・猛禽類・昆虫類・魚類・底生動物」の調査を行っています。
例として、哺乳類・爬虫類・両生類・鳥類・猛禽類の調査内容を紹介します。

哺乳類・爬虫類・両生類

任意観察法

哺乳類の足跡・糞・食痕・爪痕などの生活痕(フィールドサイン)は、種を同定するための重要な手がかりになります。両生類は春先に水域で産卵するため、これを見つけることで生息が確認できます。爬虫類は主に生体を見つけて記録する方法になります。夜行性の動物を観察する際には、センサーカメラを利用して撮影することもあります。

カヤネズミの球巣

巣箱調査

モモンガ、ムササビ、ヤマネなどの樹洞を利用する種については、あらかじめ設置した巣箱を見回る巣箱調査を行います。樹洞内を直接確認するために、小型CCDカメラにより樹洞内の様子を撮影することもあります。

ヤマネ用巣箱の設置

コウモリ調査

コウモリ類の多くは超音波を発し、エコーロケーション(反響定位)を利用して生活しています。コウモリ調査では超音波を人の耳で聴こえる可聴音に変換するバットディテクターという装置を利用します。その他、カスミ網やハープトラップを用いた捕獲調査も行います。

ハープトラップの設置

トラップ法

ネズミ類・モグラ類などの小型哺乳類は、種の特定をするためにトラップによる捕獲調査を行います。ネズミ類の捕獲にはピーナッツなどの餌を用いたシャーマン型トラップを用い、渓流に生息するカワネズミの捕獲には生魚を入れたカゴ罠を利用します。

カゴ罠で捕獲されたカワネズミ

鳥類・猛禽類

観察方法

・ラインセンサス法
あらかじめ設定されたルート上に沿って確認できた鳥類を記録し、鳥類相を把握します。経年変化を比較したり、個体数の定量的評価もできます。

・定点観察法
調査地を広く見渡せる場所に設定した定点に一定時間留まり、出現種や個体数を記録します。一般鳥類をはじめ、猛禽類調査、水鳥調査、渡り鳥調査にもよく用いられます。

ラインセンサス法

行動圏調査

調査地を見渡せる場所に定点を配置して、各定点で猛禽類を観察します。一眼レフカメラやコリメート法(望遠鏡にカメラを当てて撮影する方法)で個体を撮影し、出現種・出現個体を識別します。各個体の羽の欠損や換羽の状況、模様等から、行動圏や繁殖状況を把握することができます。

オオタカ